08. 和語は日本語の大事な枠組みだけれど…

こんにちは。「ことさきく」運営スタッフの髙橋です。

こちらの「つぶやき」コーナーでは「ことさきく」運営スタッフ――全員成瀬先生の弟子です――が先生の難しい理論をわかりやすく、それぞれの感想を交えながら解説しています。

日本語は「三脚言語」です。

和語、中国から借用した漢語、主に西洋から流入した外来語の3つから成り立っているということです。

和語=大和言葉について、私が持っていたイメージは和歌や平安文学で使われる言葉でしたが、そんな雅なものだけでなく、私たちの日常会話のほとんどを構成している言葉です。

改めて事典で「和語」を調べてみました。

「日本で本来の日本語をさしていう。(…)時代が経るにつれて日本語は語彙の構成を少しずつ変え漢語を増加し字音語を生産し,ついで外来語を加えつつ,現代では和語は全体の割合では漢語(字音語)に第1位を譲るにいたっている。しかし使用量からみれば和語は依然として50%以上で,首位を占める。(…)日常よく用いられる語は和語が多く,基本語はやはり和語であるといわれる。そして和語は,専門語,術語などの領域で新しく造られることは少なく,ほとんどは漢語(字音語)もしくは外来語そのままの借用が多い。(…)」[山田 俊雄](世界大百科事典)

「漢語・外来語に対し、日本語本来の語。(…)和語には活用のない語(体言・副詞・助詞等)と、活用のある語(動詞・形容詞・助動詞等)とがあるが、漢語・外来語はおもに名詞・形容動詞語幹等、活用のない語に限られ、和語の「する」「だ」(文語は「す」「なり」「たり」)をつけて初めて述語・修飾語となりうる。活用語尾・助動詞・助詞はすべて和語であり、文法機能の中枢は和語が独占し、この性格は古代から現代まで一貫している。(…)中世末以来欧州諸語が、明治初期に漢語が増加し、近時は英語の外来語が急増しているが、和語が文法機能を堅持している点はすこしも変わらない。」[築島 裕](日本大百科全書)

(最後の文の「中世末以来欧州諸語が、明治初期に漢語が増加」の辺りは誤りではないかと思うのですが、ジャパンナレッジの記載のとおりです)

後者の解説を読むと、和語が土台になっていてその上に漢語と外来語が乗っている鏡餅のようなイメージになります。確かに自分が日常使う言葉を振り返ってみると和語が圧倒的に多く、漢語を使うと何だかエラそうな感じになるのがわかります。

でも前者の解説にあるように、専門用語はほとんどが漢語や外来語です。アカデミックな話は和語だけではできないということです。ですから、和語は日本語の枠組みであり大事な柱の一本であって、漢語と外来語もそれぞれが一本の柱という三脚のテーブルのイメージが適していると思います。

☆☆☆

翻訳講座で成瀬先生に指摘されて気づいたことがあります。

私の場合、原文の意味が捉えきれていないときは漢語や外来語が多くなって一見わかっている風だけど実は中身がない文になります。それに対して内容をよく理解して翻訳しているときや、この原稿のように自分で好きなことを書いているときは和語が多くなります。日常使っている自分の言葉に近くなるのでしょう。それはつまり自分が日常どのような言葉を使っているかが翻訳を含め文を書くときにとても重要だ、ということでもあります。

ところで、時代劇を見ていると、ときどき江戸時代や明治初期には存在していない言葉がセリフに使われていることに気づくようになりました。テレビに向かって突っ込みを入れている今日この頃です。そのうちにおもしろいものに出会えたらメモしておいて、こちらでご紹介したいと思います。

以上、今日のつぶやきでした。

(運営スタッフ:髙橋)

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