09. ダサい日本語は書きたくない!

こんにちは。「ことさきく」運営スタッフの髙橋です。

こちらの「つぶやき」コーナーでは「ことさきく」運営スタッフ――全員成瀬先生の弟子です――が先生の難しい理論をわかりやすく、それぞれの感想を交えながら解説しています。

先月のつぶやきで読点が文の価値を上げるという投稿をしました( 運営スタッフのつぶやき:04. 日本語の読点が文の価値を上げる、とは何ぞや?)。
それに対してありがたくも成瀬先生からお返事を頂戴いたしました (12月6日付note「ことさきく」運営スタッフのつぶやき:日本語の読点が文の価値を上げる、とは何ぞや?(成瀬からのお返事))。

読点の位置によって意味が変わってしまうというのは当たり前、小学生だって知っている・・・と思っていました。
しかし!
翻訳しているとこの間違いが結構あるのです。漢語の多用と同様、原文の意味を中途半端にしか理解していない場合に特に発生しやすいのです。

自分で文を書いているときには意味が曖昧になるような読点の打ち方はしていないと思うのですが、ここでもう一つ重要なポイントは、

読点が多すぎるとダサくなる

ということ。

頭の中で書くことをまとめながら、思考のまとまり、息継ぎのところに読点を入れます。そうすると思考のまとまりが小さいほど読点が多くなります。
それを防ぐ1つの方法は、一文を必要以上に長くしないこと。「~は、~であるため、~になる。」のようにせず、「~は~である。そのため~になる。」のように、複数の文に分割すれば良いということ。読み手にとってもそのほうが理解しやすいはずです。
これが価値の高い文ということだと思います。

翻訳とはいえものを書くことを仕事として選んだからにはダサいものは書きたくない。名文は書けなくても、ダサくて読みやすい日本語を心がけたいものです。

☆☆☆

半年ほど前から、私はとある翻訳エージェント経由でMTPE(機械翻訳のポストエディット)の仕事をしています。
MTPEは機械翻訳された日本語をエディットしていくのですが、たいていは酷い訳文なので、内容に慣れてからはMTを当てにせず自分で一から翻訳しています。

この仕事では、自分のタスクを提出するとQuality Assuranceというリストが送られてきます。タイプミスやリンクタグなどのミスが指摘されるのでチェックして修正するのですが、その中にAI Check: Optimizable Translationというリストがあります。AIが「この訳文は原文に忠実にするにはこうした方が良いですよ」といった提案してくれるのですが、AI先生の提案はたいてい読点が多すぎるのです…。読点を入れても入れなくても意味に違いが生じないところにいくつも打ってあって「読点がないのでわかりにくいです」とか言うのですよ…………。これがダサい日本語か、と思うことがあります。
たいていは無視しています。
タイプミスなどを別にして、AIなんぞの言うことを鵜呑みにしたりしないのです。

☆☆☆

この「ダサい日本語を書かない」というのは、これからの時代に人間がAIに打ち勝つ上で重要な戦略の一つになりそうです。AI にはダサいかダサくないかの判断はできないのですから。

AI に負けない翻訳者になる鍵は案外自分の足元に落ちているのかもしれません。

以上、今日のつぶやきでした。

(運営スタッフ:髙橋)

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