2つの英語「観」ーー ネイティブ英語支配 vs. グローバル英語/ネイティブ英語並存

英語に対する2つの異なる英語観英語に対する2つの異なる英語観

英語に対しては次の2つの異なる英語観を設定することが可能である。

  1. ネイティブ英語支配の英語観
  2. グローバル英語/ネイティブ英語併存の英語観

以下、順に説明をしていこう。

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ネイティブ英語支配の英語観

まず、ネイティブ支配の英語観とはなにか、である。

従来、正当な英語とは英米人が使うネイティブ英語(Native English)のことだと考えられてきた。

そして、私たちのようなノンネイティブが使う英語についてはネイティブ英語に比べると一段も二段も低いものとして評価されてきた。

図に示すと、次のようになるだろう。

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封建社会に例えると、American EnglishとBritish Englishが王様と女王様であり、そのほかのNative Englishesはその家臣、そしてそのほかのEnglishesは被支配側の平民といったところである。

帝国主義の落とし子ともいえるこの言語観は、決して英語だけのものではなく、20世紀までの世界ではどの言語でも常識的なものであった。

植民地政策の重要ルーツとなったフランス語やスペイン語やロシア語でもそうであるし、日本語もまた太平洋戦争時の日本のアジア進出の際にはこの言語観をベースに植民地支配をおこなっていた。

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グローバル英語/ネイティブ英語並存の英語観

20世紀後半になると、こうしたネイティブ英語中心の英語観とは別の英語観として、世界共通言語としてのグローバル英語をネイティブ英語と並列させるという英語観が台頭してきた。

これが「グローバル英語/ネイティブ英語併存の英語観」である。

その英語観を図に示すと、次のようになるだろう。

画像

ここに示されている思想は、

グローバル英語はネイティブ英語をルーツとするものの、そこからは離れて別言語として独立し、ネイティブ英語と並立する存在となった

というものである。

グローバル化が急速に進むなかで世界での英語コミュニケーションの8~9割が英語ノンネイティブのあいだで行われているという実態からみると、こうした考え方が出てきたことは、歴史の流れにおける必然の動きだったといってよいだろう。

(ことさきく|成瀬由紀雄の日英文章・翻訳教室より)

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