まず、簡単な英文を以下に示す。読んでみてほしい。
I got it.
Can you do it?
Give it to me.
It can wait.
This is for you.
One of them is broken.
What time is it now?
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これを読んだとき、ほとんどの皆さんの頭のなかには、次のカタカナが浮かんでいるはずだ。
I got it. → アイ ゴット イット
Can you do it? → キャン ユー ドゥー イット?
Give it to me. → ギヴ イット トゥー ミー
It can wait. → イット キャン ウェイト
This is for you. → ディス イズ フォア ユー
One of them is broken. → ワン オブ ゼム イズ ブロークン
What time is it now? → ワット タイム イズ イット ナウ?
これらのカタカナは、声には出ていない。これらが頭のなかに浮かんでいるという明確な意識も、おそらくないことだろう。
だが実際には、この「カタカナ英語発音」は確かにあなたの脳内に形成され、そしてそのイメージがあなたの英語発音を支配しているのだ。
これが、私のいうところの
「カタカナ英語発音の呪い」
である。
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この「呪い」は極めて強力である。そしてその解呪は極めて困難である
その理由のひとつは、現代日本語には膨大な数の英語がカタカナ語として取り込まれており、それが「日本語として」私たちの脳内にすで格納されていることにある。
さらには、学校などの英語授業などを通じて私たちは「カタカナ英語」で英語を読むことに慣れきってしまっている。
このようにして「カタカナ英語発音」は、日本語音韻システムの一部として、すでに私たちの脳内にしっかりと根づいているのだ。そして
この「カタカナ英語発音の呪い」を解呪しないかぎり、私たちは本当の英語発音を獲得できない。
英語を英語としてマスターすることはできない。
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では、どうすればこの「呪い」を解呪できるのか。
多くの英語の先生方が勧めているように、ネイティブ発音をしっかりとたくさん聞いて、それをそのまま真似ればよいのだろうか。
だが、このやり方がきわめて非現実的であることは、誰もが知っている。わからない音をいくら聴いても、わからないものはわからない。それが現実なのである。
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あるいは一部の実務家がいうように、カタカナを変形させて、たとえば「ギブ ミー ウォーター」のかわりに「ギミワーラー」などにして、そうした言い方をたくさん覚えていけばよいのか。
だが、これが本当にカタカナ英語発音からの脱却になるのかといえば、間違いなく、そうはならない。それはたんにカタコト英語が少しうまく通じるようになるだけの話である。
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「ことさきく」では、日本人の「カタカナ英語発音の呪い」を解くための、まったく新しい学習メソッドを提供する。
まず、英語と日本語の音韻システムの原理や原則、そしてその違いをしっかりと学ぶ。その知識が、その後の英語発音学習の基盤となる。
つぎに、英語のスペリングが表音システムではないこと、実際の音とはかけ離れていることを学ぶ。
英語は書いてあるとおりには発音できないのである。
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ところが、仮名という完全表音表記を持っている私たち日本人は、その認識を英語表記に無意識のうちに転用してしまい、英語テキストを「スペルどおりに」「カタカナで」読もうとする。それが、in=「イン」、at=「アット」なのだ。
こうして私たちは「カタカナ英語の呪い」にかかってしまうのだ。
(ことさきく|成瀬由紀雄の日英文章・翻訳教室より)


