「ことさきく」とは
「ことさきく」(言幸く)は万葉集にある柿本人麻呂の次の歌のなかにある言葉です。
葦原の 瑞穂の国は 神ながら 言挙げせぬ国 しかれども 言挙げぞ我がする 言幸く(ことさきく) ま幸くませと 障みなく 幸くいまさば 荒礒波 ありても見むと 百重波 千重波しきに 言挙げす我れは 言挙げす我れは
(あしはらの みづほのくには かむながら ことあげせぬくに しかれども ことあげぞわがする ことさきく まさきくませと つつみなく さきくいまさば ありそなみ ありてもみむと ももへなみ ちへなみしきに ことあげすわれは ことあげすわれは)
(蘆原の瑞穂の国の私たちは自分の心を言葉にはしないものです。しかしいま私は言葉に出して言いましょう。どうかご無事で、ご無事であれと。何事もなくご無事であって変わらぬ今の姿のまま、またお逢いをしたい。荒磯に寄せる百重波千重波のように、幾度もご無事であれと言葉に出して申し上げます、申し上げます。)
この歌は遣唐使や地方官が遠くへ旅立つ際に贈られたものだと考えられています。真のグローバル化という困難な課題に直面している現在の日本と日本人に送るエールとしてまさにふさわしい言葉だと思い、プロジェクト名としました。